有病率、およそ1%の病気

少しここで、ある病の話をします。
実際の患者数は、国内で75万人ほどという統計があります。


 
 
今日お話しする病とは、「統合失調症」という精神疾患についてです。
統合失調症(特に陽性症状と言われるもの)の代表的な症状を以下にまとめてみました。
 

  1. 妄想;実際にあり得ないことを信じ、明らかに間違っているのに決して訂正されず,本人が確信し、強固な信念となってしまっている
    • 迫害(被害)妄想? 自分は周囲から迫害されている
       みんなが自分の悪口や噂を言う
       自分は誰かに操られていると思い込む
    • 自分のことが周囲の人に筒抜けになり、常に人から見張られていると思い込む
    • 関係妄想? 自分がある事件に絶対に関わっている
       巨大な組織に狙われていると思い込む
    • 誇大係妄想? 大発明をしたとか、大金持ちで何でもできると思い込む
       巨大な組織に狙われていると思い込む
    • 嫉妬妄想 妻(夫)が不倫をしていると思い込む
  2. 幻覚;実際にない声が聞こえたり、ものが見えたりする
    • 幻聴?話しかけてきたり、自分を批判したり、命令したりする
    • 幻視?実際にはいない人間などが見えたりする
    • その他にも、臭覚、味覚、触覚についても幻覚が生じることがある
  3. 思考障害;考えが混乱してくる
    • 考え方にまとまりがなくなる
    • 会話の内容ばらばらになる
  4. その他
    • イライラと落ち着きがない
    • 激しく興奮
    • 不安が非常に強くなる

なお、他の精神障害(躁うつ病やある種の神経症など)、老人性痴呆やてんかん、神経内科・脳外科的疾患や、ある種の薬物や意識低下によっても幻覚・妄想は見られます。
 
ただ、この病気に特徴的なのが、物事を悪い方へ悪い方へ考え、被害妄想が確信になってしまい、人の話に耳を傾けられなくなってしまうことです。
 
以前ご紹介させていただいた「中大理工学部助教授刺殺事件」の犯人の妄想癖などは、多くが当てはまっているように思います。
 
 
次回は、もう少し詳しく、統合失調症について、書こうと思います。