盗聴を総務省が容認?

 別に盗聴を認めた訳ではありませんが、ちょっと、安易じゃないのかな?と思われる許可をしてしまいましたね。というのは・・・


 
 インターネット履歴を記録して、それを元にして、広告を出す、という技術の利用を総務省が認めたという記事です。
 
「ネット全履歴もとに広告」総務省容認 課題は流出対策

 インターネットでどんなサイトを閲覧したかがすべて記録される。初めて訪れたサイトなのに「あなたにはこんな商品がおすすめ」と宣伝される—-。
 そんなことを可能にする技術の利用に、総務省がゴーサインを出した。ネット接続業者(プロバイダー)側で、情報を丸ごと読み取る技術を広告に使う手法だ。だが、個人の行動記録が丸裸にされて本人の思わぬ形で流出してしまう危険もある。業者は今後、流出を防ぐ指針作りに入る。

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 だが、情報を突き合わせれば、他人に知られたくない持病やコンプレックスなどが特定される恐れがある。技術的にはメールの盗み読みもでき、憲法が保障する「通信の秘密」の侵害にもつながりかねない。こうした点から、米国と英国では業者による利用が問題化し、いずれも実用化に至っていない。

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 一方、新潟大の鈴木正朝教授(情報法)は「DPIは平たく言えば盗聴器。大手の業者には総務省の目が届いても、無数にある小規模業者の監視は難しい。利用者が他人に知られたくない情報が勝手に読み取られ、転売されるかもしれない。業者がうそをつくことを前提にした制度設計が必要だ」と話す。
 
 作業部会に参加した一人は「総務省の事務方は積極的だったが、参加者の間では慎重論がかなり強かった。ただ、『利用者の合意があれば良いのでは』という意見に反対する法的根拠が見つからなかった」と話している。(小宮山亮磨)

asahi.com 2010年5月30日

 
 後半部にも書いてありますが、小さな企業、総務省の目の届かない闇業者などが悪用するのは、十分考えられます。
 
 「利用者の合意があれば」といっても、気がつかないうちに「合意ボタン」をクリックしてしまうことも多いのでは?
 実際、ネット上の利用規約なんて、たいていの場合、よく読まずに(もしくは全く読まずに)クリックしてるのが現状ではないでしょうか?
 クリックした利用者も、いつどこでクリックしたかなんてほとんど覚えてないですよね。 
 それを逆手に、情報流出しても、「合意の上だ」と言われたら、泣き寝入りですかね?
 
 もうちょっと慎重に、将来予想と言うか、影響予測をして貰いたいものですね。