困ったチャン依頼者2
何の根拠もないのに、「盗聴器が絶対ある」と信じ込んでいる困ったチャン。
絶対ないと信じ込んでる人も無用心ですけど、こちらは、出てきても出てこなくても納得してくれます。依頼されてこられる方は、大抵、「あったらどうしよう」と不安の中でご相談されてきます。そして、ブツが見つかっても、見つからなくても、「ありがとうございました」と言って、晴れ々々とした笑顔を見せてくれます。
しかし、「ある」と信じ込んでる方は、調査の結果「ありませんでした」と言っても、信じてくれないことが往々にしてあります。こういう方の場合、なぜ「ある」と思われるのかを聞いてみると、「そんなバカな、ありえない!」と言いたくなる様な理由(根拠)がほとんどです。
人間、「ある」と思い始めると、というか思いこんでしまうと、周りから何を言われても、冷静な判断が出来なくなってしまいます。それはごく普通の人間です。誰にでもあることです。でも、前述のように、普通は、結果が判明すると、皆さん納得してくれます。
しかし、まれに、“普通”でない困ったチャンがいらっしゃいます。
我々の仕事は、信用が命です。もし調査後、実際盗聴の被害があったり、他の業者が盗聴器を見つける等、我々の見落としと思われる様なことがあったりすると、「技術的信頼性薄」とレッテルを貼られ、もう事業を続けることが著しく困難になってしまいます。
そうならないように、調査は2重3重のチェックをします。少しでも疑わしい点があれば、徹底的に調べます。そして、依頼者が納得のいく説明をします。依頼者が納得して、安心して、初めて任務完了です。
この最後の“納得していただく作業”が、時として調査の倍以上の労力を要します。既に疑わしい点は全てチェック済みなので、納得しないと言われても、それ以上為す術がないのが正直なところです。
それでも、依頼者の疑問点(不審点)を聞いてあげるわけですけど、これが冷静に考えれば、荒唐無稽なことばかりですから大変です。
「外に出ると、決まって○○さんに会う・・・」位はかわいいものです。「TV局が、隠しカメラ付きのTVで自分を監視している」等々。この辺の話しになってくると、ほとんど人生相談のようになってきます。
先日も、怪しいと言われたエアコンをばらしてきました。あらゆる状況を考慮して、100%無いとわかっていたのですが、納得してもらうには他に方法が・・・・。
実を言うと、調査が完了して、結果報告した後の説明やアドバイスは全くのボランティアです。まぁ、少しでも社会貢献を、と始めたこの事業ですから、本望と言えば本望?。この日も2時間ほどの無料奉仕。心身共にクタクタでした。
何度も書きますが、調査は何重ものチェックで万全を期しています。出来ないものについては出来ないと正直に言います。その上で、出てきた結果については素直に受け入れて欲しい。信じて欲しい。これが調査員の正直な気持ちです。
こんな事書くと、依頼が減るかな?