情報を伝える事の難しさ

地震津波による福島原発事故。
色々な報道も見聞きして、「東京は安全です」と言う言葉の受け止め方も様々・・・・・


 
 
福島近県での一部原乳・野菜の放射性物質の値、東京での放射線量の上昇、東京・千葉での浄水場の放射性ヨウ素の基準値越え。
 
政府、或いは行政は、その数値を公表し、「直ちに人体に害のあるものではない」と言っていますが、市民の受け止め方は様々です。
  
福島茨城産の野菜を使用停止にした業者、東京は危ないと西日本や海外へ脱出する人、水を買いに走る人・・・・・・
 
水道水を例に取ると、都の発表は
「基準値の2倍の放射線ヨウ素が検出。乳幼児への飲用は控えてください。この基準値は長期にわたり摂取した場合の健康影響を考慮して設定したもので、代替となる飲用水が確保できない場合は、摂取しても差し支えない」
一方で、「摂取を控えるよう要請した自治体の乳児のいる家庭に対し、1人当たり3本、計24万本のミネラルウオーター入りのペットボトル(550ミリリットル)を配布する」と発表しました。
飲ませてもいいの? どっちなの? わかりにくいですねぇ。
 
23日の金町浄水場での放射性ヨウ素の値は、乳幼児の基準値の約2倍の210ベクレル。
この水道水を毎日1.6リットル飲むと換算して、半年飲み続けると体内許容基準値に達します。
勿論、この基準値は、実際に人体に影響があったとされる事例より、かなり低く設定されています。
 
このことを知っていれば、今日明日水道水を使っても、なんら乳幼児に影響がないと言う事がわかります。
 
 
茨城で基準値をオーバーしたホウレン草は83kg食べると、体内許容基準値に達します。
 
原発の周囲で測定された放射線量も、例えば、100uSv/hだとすれば、30分屋外でこの放射線を浴びると棟のX線検診1回分、7時間で胸部CTスキャン1回分、1,000時間で健康に害の恐れがあるなどと説明すれば、もっとわかりやすくなるのではないでしょうか?
勿論これでも、完璧ではないとは思いますが、「直ちに人体に害を及ぼすものではない」よりは、まだわかりやすく、いらぬ心配や、ネガティブ情報が拡散されるような事は減るのではないでしょうか。
また、もっと数値が大きくなれば、直ちにというのが、ホントに短い時間に限られていると言う場合もあるかも知れません。
 
放射能というの恐ろしいものです。
しかし、それは量によりけりです。
我々が毎日のように摂取している醤油も、一気に1リットル飲むと死んでしまいます。
測定されたものがどの程度の量なのか?そこが大事で、それをわかりやすく伝えないと、危険性が伝わらなかったり、逆に不安を煽るだけになってしまいます。 
 
 
勿論、全ての方が理解してくれるとはいいません。
どれだけ親切に説明しても理解できない方はいらっしゃいます。
 
 
例えば、胃の中にカメラを入れて外部でそれを見る事が出来るというテレビを見て、「今は外から胃の中まで見れるカメラがある」とおっしゃるお客さんがいます。
 
また、赤外線透視カメラで水着が透けると言う事を知ると、壁やカーテンも透視できるカメラがあるとおっしゃる方がいらっしゃいます。
 
特に、盗撮カメラが仕掛けられていると思い込んでしまっている方には、自分の都合のいいように解釈(誤解)してしまうケースが多いように思います。
 
 
情報をどれだけ正確に受け止めるか?
現代の情報過多気味の社会に於いては、本当に大事な事だと思います。
 
と同時に、情報を流す方も、色々な受け止め方がいる事を前提に、できるだけ誤解のないように(ともすればデマ拡散にも繋がります)、注意して報道しなければならないと実感する毎日です。