一般の盗聴器発見器が、誤動作する理由
「盗聴器や電波についてよく知らない方でも、簡単に使える発見器」というのがよく売られていますが...
盗聴器の調査を依頼される方の中には、「買ってきた盗聴器発見器が反応したから」という理由で、という方が少なからずいらっしゃいます。
で、実際に調査してみると、盗聴器はなし。
反応した!という発見器を実際作動してみると...
a. 電波感知型の場合
何らかの盗聴器とは関係ない電波を拾い、それに反応した、という場合がほとんどです。
私たちの住む環境で電波のないところはほとんどありません。感度がよければ、その中の一つに反応(誤動作)してしまいます。また、誤動作を防ぐために感度を下げたものは、本物の盗聴器にくっつけるぐらいしないと反応しない、ということもあります。
大事なのは、電波の強弱ではなく、電波の種類なのですが、これらの機器では、それが盗聴器のものかは判別できません。
b. 電波受信-音声変換型の場合
こちらは、周波数などをかなり絞っている場合が多く、上のものよりは誤動作が少なくなります。
しかし、最もお手軽(と謳っている)盗聴発見モードでも、誤動作がつきものです。
通常、盗聴発見モードは、おおよそ盗聴器とは無縁の周波数が多数登録されています。それらは、盗聴器の可能性はゼロではないにしても、他の諸々の電波の可能性がかなり高い、というものばかりです。
調べる場所で、その周波数に当たれば、そこで発見器のサーチはストップし、警報が鳴ります。
そして、その先に本物の盗聴器があっても、発見器の動作がストップしているので、見つけることはできません。
これらは、実際に、調査にお伺いした時に、ご依頼者の発見器で何度も経験したことです。
勿論、この様な発見器でも、その機能を邪魔するような電波がない場所では、盗聴器にキチッと反応してくれるでしょう。
しかし、場合によっては(かなり高い確率で)このようなことが起こるという事をご理解いただいた上で、ご使用なさるなら問題ないのですが...。
「素人でも使える」を過信してはいけません。
次回は、盗聴器発見器を正しく使うための、電波についての知識について書いてみたいと思います。